歎異抄
歎異抄・第七条
一 念仏者は、無碍の一道なり。そのいわれいかんとならば、信心の行者には、天神地祇も敬伏し、魔界外道も障碍することなし。罪悪も業報を感ずることあたわず、諸善もおよぶことなきゆえに、無碍の一道なりと云々
本日の歎異抄・第七条 講義文
「三つには魔羅鬼なり」。魔羅というのは、男性の性器のことです。性器のことを魔羅と、隠語みたいにしていわれたりしますが、もとは仏教用語です。そして、欲望の一番の象徴、一番具体的なもの、それが性器です。ですから、魔羅というのは、性欲の象徴ということになります。坐禅を組んでいても、そのあいだに欲望が起こってくる。性欲が起こってくると、修行ができなくなってしまう。だから、その正体をきちんと見つめなければいけないということを、『摩訶止観』には書いてあるわけなのです。
(魔界・外道も障碍することなし 187頁後7行目~187頁後3行目)