正信偈唱和
歎異抄講義(上)拝読及び僧侶法話
歎異抄講義(上)・本文
この業報思想は、一面は心理だけれども、社会生活全体に適用しようとすると、貴族は助かる、庶民は助からないということになってしまう。そこのところが問題なのです。職業は、どういう職業であっても、自分で生まれたところを選ぶわけにはいきません。そして先祖代々の家業というものに具わった知恵というものがあるのです。親から子どもへと伝えられて、家業というのが成り立つのです。それで、子どもを養うためには、普通ではしてはいけないといわれるようなことも、しなければならない。そういうのが私たち庶民の暮らしではないでしょうか。親鸞聖人と一緒に暮らした人びとのことを想像していただければよいと思います。実際に大地の上で働いて、生産活動をして、漁をして生活をしていた人たちです。
(罪悪も業報を感ずることあたわず 196頁17行目~197頁5行目)