正信偈唱和
歎異抄講義(上)拝読及び僧侶法話
歎異抄講義(上)・本文
本当の幸せというのは何であろうか。よくよく考えてみると、本当の幸せとは、なかなかこの世にないわけです。財産があれば幸せだと、一般にいわれますが、財産があるおかげで税金の心配、また兄弟間の争いなど、たくさんの心配や苦労をしなければいけない。だから財産がある人は「財産がないほうがよかったなあ」と思い、財産がない人は「そんな心配や苦労があってもいいから、お金が欲しい」と思います。でも、財産がないおかげで、鍵をかけ忘れて外出しても、あわてないでいいし、夜中に怪しい物音が聞こえても、「どうぞどうぞ」といえますから、楽でいいですよ。何が幸せ何が不幸なのか、よくわからないですね。このようなことはたくさんあります。地位が上がったり、収入が増えることが幸せである面と、不幸という面とあるでしょう。
(真如一実の功徳宝海 203頁12行目~203頁18行目)