正信偈唱和
曽我先生実語抄拝読及び僧侶法話
曽我量深先生の言葉本文
こういうことが『大無量寿経』の五悪段に詳しく説かれている。一方が一方を倒して決して平和になるものではない。倒された者は必ず仇討をする。倒されて怨みが消えるはずはない。どうしたら怨みがなくなるか、人を倒すということが間違っている。自分の方が初めから人に頭が下がればよい。戦うて争うたら怨みは永遠に晴れるということはない。初めから両方が相手の立場に立って、相手を信じ、相手を敬う。こういうことがなければ世界の平和は絶対にない。二つのものが対立して平和ということはありません。二つのものが本来の一つのものに立ち帰らなければ平和というものははありません。
(『真人』第八三号「法然と親鸞」)