歎異抄
歎異抄・第七条
一 念仏者は、無碍の一道なり。そのいわれいかんとならば、信心の行者には、天神地祇も敬伏し、魔界外道も障碍することなし。罪悪も業報を感ずることあたわず、諸善もおよぶことなきゆえに、無碍の一道なりと云々
本日の歎異抄・第七条 講義文
親鸞聖人の師匠である法然上人のところへ、熊谷次郎直実が訪ねていったという話があります。直実は、須磨の浦で平敦盛の首をはねた人です。手柄を立てたというけれど、結局は殺しです。源平の戦で、たくさんの敵を殺して、返り血をいっぱい浴びながら、どんどん働いたわけです。源平の戦が終わってから、今まで自分が何をやってきたかということを振り返ることになった。殺ししかしていない。それで、この自分は地獄行きに違いないと思う。しかし、それが辛くて辛くてたまらないと、法然上人のところに訪ねていったのです。
(悪人を救うと誓われた本願 198頁10行目~198頁後4行目)