正信偈唱和
曽我量深先生の言葉拝読及び僧侶法話
曽我量深先生の言葉
私どもが人間として生を受けて初めて娑婆世界、そこで今度、浄土往生という問題が出てくる。
それはそうである。山の中におれば山は見えない。富士山の中におってあちこちぐるぐる見たからといって、富士山は見えない。山から出て、山を見る。われわれは山を見るためには、自分がどこにおったらいいか。自分のおるべき正しい場所を知らしてもらう。すなわち、私どもは現在おるべき場所を初めて、人間に生まれて知らしてもらう。まだ人間に生まれないさきは佛様と一つになっている。
人間に生まれて佛様とわれわれとちゃんと分かれてくる。佛様とわれわれとわかれてくるところからお念佛が出てくる。
(『浄土の問題』六九頁―七三頁)