正信偈唱和
歎異抄講義(上)拝読及び僧侶法話
歎異抄講義(上)・本文
「私は源平の戦においてたくさんの人を殺してきました。この私が助かる道があるのでしょうか」というと、法然上人はいつも仰せです。「ただ念仏して弥陀にたすけられまいらすべし」といわれた。「どれほど私が返り血を浴びて人を殺してきたとしても、阿弥陀仏は必ず救ってくださる。ただ念仏して弥陀にたすけられまいらすべし」と繰り返して説かれたそうです。「こういう私が本当に救われるのですか」「はいそうです、私がお念仏するように、あなたもお念仏しなさい。共にただ念仏して弥陀にたすけられまいすべし」と、法然上人は教えてくださった。直実は大泣きに泣いて、お念仏になった。罪悪の報いは地獄行だという戒めだけでは助からないのが人間だということです。その助からない人間こそ助けようというのが阿弥陀仏の本願なのだと、それが真の仏教でなければないのが、この本願の教えなのです。
(悪人を救うと誓われた本願 198頁14行目~199頁6行目)