正信偈唱和
曽我量深先生の言葉拝読及び僧侶法話
曽我量深先生の言葉本文
宿業の方は、私どもは自分自身というものには……人間は自分の力でもなんで見出来るように思っている。何でも出来るように思っておるから、今度は実際になるというと何もできなくなってしまう。人間は、何でも出来るように思っているのは、つまりいうてみれば、”優越感”というもの―。人間は優越感というものをもってをりますね。そういう人間は”ワンマン”というものになりやすい。それは優越感というもの……。優越感というものをもっておるが、また人間は反対に”劣等感”というものをもっておって、そうして人間は苦しんでおるのである。優越感をもっておって、その優越感が思うようにならない。優越感が思うようにならないと、今度は劣等感を起こす。―そうでしょう。
(『中道』昭和四三年 十二月号)