正信偈唱和
曽我量深先生の言葉拝読及び僧侶法話
曽我量深先生の言葉本文
他の佛様は、今まで何も私どもと関係がないのでありましょう。ただ私どもが、人間にはいろいろ悩みがあり、苦しみがある、そういうときに佛様におすがりするというと、佛様はそれをお助けなさる。他の佛様はそういう佛様である。しかるに阿弥陀佛はそれと違う。われわれがまだこの世に生まれぬ前から、われわれは佛様を知らない前から私どもと深いつながりをもっていなさる。本願というものによって深い関係をもっていなさる。そして私どもは何も自覚しておらんようだが、私どもの心の深い所に佛様がおられる。それを本願というのであります。念佛とか、信心とか、こういうものも、そういうものがちゃんとある。そういうものがあって初めて念佛ということが成り立つのであります。
(『真人』第八二号 「法然と親鸞」)