歎異抄
歎異抄・第七条
一 念仏者は、無碍の一道なり。そのいわれいかんとならば、信心の行者には、天神地祇も敬伏し、魔界外道も障碍することなし。罪悪も業報を感ずることあたわず、諸善もおよぶことなきゆえに、無碍の一道なりと云々
本日の歎異抄・第七条 講義文
このようなお話から、「人間万事塞翁が馬」という言葉が出てきたわけです。馬が逃げてしまった。その馬が数頭で戻って来た。息子がその馬から落ちて足を骨折してしまった。見かけは悪いことのように思えたけれども、しかしそのおかげで息子は戦争に徴兵されずに生き延びることができ、馬の数も増えて子孫繁栄することができたということです。目先の良い悪いではなくて、悪いことが良いことになる場合もあるという例です。この話のように、人生にはこのようなことがあるというのは確かだと思います。
(無碍の一道なり 178頁8行目~178頁12行目)